こんにちは。狸温の図書館の館長の狸温です。
狸温の図書館の「リーディングルーム」は、子供の頃から本が大好きな狸温が選んだおすすめの本を紹介するサイトです。
読書が大好きな皆様が、次に読む本の参考にしていだけたら嬉しいです。
今回のリーディングルームでは、プチ鬱になる前に読みたい本です。自衛隊のメンタル教官をしていた下館壮太先生の「とにかくメンタルを強くしたいんですが、どうしたらいいですか?」をご紹介したいと思います。
とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたらいいですか? [ 下園 壮太 ]
うつの本質は疲労
「とにかくメンタルを強くしたいんですが、どうしたらいいですか?」
タイトルから切羽詰まっています。
下園先生は、精神状態を「通常ゾーン」「プチうつゾーン」「うつゾーン」に分けています。
第2段階の「プチうつゾーン」に入ったフリーライターの高木さんと下園先生が対話しながら、話は進んでいきます。
高木さんは、最近、些細なことでイライラして、疲れています。メンタルが弱くなっていると感じています。高木さんはうつ病の一歩手前のプチうつゾーンに入っていました
疲労の蓄積
です。もちろん、肉体的な疲労もありますが、精神的な疲労、感情的な疲労。
特に現代は、スマホなどの情報伝達方法があり、四六時中、感情が揺さぶられて、感情疲労もひどい。そんな疲労が蓄積さて、高木さんはうつの一歩手前まで来てしまいました。
メンタルが弱くなって仕事や生活に支障が出てきた高木さんの望みは、メンタルが強くなることです。
大人のメンタルと子供のメンタル
下園先生は、高木さんに質問します。
「心が強い」「メンタルが強い」ってどういうイメージですか?
高木さんの答えは
難しい仕事をバリバリこなして、何があってもめげずに、毎日的確な判断を下している人
つまりはヒーローみたい人です。我慢強くて、忍耐強い人です。
高木先生は、この強さは
こどもの心の強さ
と言います。こどもころに、おとなから植え付けられた人間はこうであるべきだという姿です。
この強さは限界まで頑張って、そして、ポッキと折れてしまう強さでもありました。
それと反して、おとなの心の強さは、適当にサボり、休息をとる。
必ずしも、我慢強くもなく、忍耐強くもない。
こんな人は、ヒーローじゃない。でも、それがおとなの心の強さです。
リフレッシュしたのに気分が落ち込む
高木さんは、リフレッシュするために山歩きをしました。
素晴らしかったようです。ですが、後悔します。
仕事が遅れているのに、山歩きをしてしまった。リフレッシュしたはずなのに心が重い。
下園先生は、休養の取り方に問題があると話します。
通常の段階で、リフレッシュするのに山歩きは良いでしょう。しかし、高木さんは疲れがたまり、プチうつゾーンに入っている状態です。
体は休息をとることを欲しているのです。山を歩き、その時は気分が良くても、その疲れが高木さんを襲います。
高木さんは何より休むことが必要なのです。
そして、リフレッシュをするなら、山歩きではなく、家で読書などの静的な活動にするべきだったのです。
下園先生は、若者に多い新型うつにも言及します。若者が鬱状態になる。仕事を休み、休養を取る。若さ故に若干体力が回復し行動したくなる。アクティブなリフレッシュをする。
しかし、体は疲れがたまっている状態なので、行動をすることでしんどくなる。また仕事に行くことができない。そして、若者はうつになって、仕事に行けないのは会社が理不尽な扱いをするせいだと考える。
本当は、動的な行動を抑えて、しっかり休息をとることが必要なのです。
休養することを選ぶ
高木さんは、プチうつを改善するために、下園先生のカリキュラムをこなしていきます。結局、2ヶ月間仕事を休むことを決意します。休暇を取って体を休める勇気が出たのです。
高木さんは、これまで、仕事を第一にしていました。休むことで、ほかの人に迷惑をかけることを恐れていました。
実際に、高木さんが休む調整をしている時に、契約している会社では上司にあたる女性から「迷惑だ」という内容のメールを受け取ります。とても悲しい出来事です。
しかし、高木さんは下園先生とのこれまでのカリキュラムで、怒りを抑える技術を得ていました。メールには反応しないことにしました。
結局、上司の女性も、自分のひどいメールに反省して、謝罪をしてくれます。メールに反応しない判断は正しかったのです。
高木さんは、2ヶ月間仕事を休むことで今までの仕事を失うことは覚悟しました。
それでも、なお、本当に心と体の健康を取り戻すためには、休息が必要と決めたのです。
勇気を持って休息を取ることを選ぶ
狸温は、大分前ですが、うつ病を患ったことがあります。うつ病になる前に、体の調子が悪かったのです。持病のぜんそくが出て、疲れが抜けない状態でした。
直属の上司に数日間休みを取りたいと相談したら「みんな大変なのは同じ。休んだら人に迷惑をかける。気分転換したいならディズニーランドでも行ってきたら」と言われました。その上司から、落ち込んだときにディズニーランドに行くと元気になるという話を延々と聞かされました。
狸温は落ち込んでいるのではなく、ひどく疲れてしんどいので、デイズニーランドに行きませんでした。
しかし、職場の仲間に迷惑をかけることは望まなかったので、頑張りました。鎮静効果があるホルモン剤系のぜんそくの薬を飲んだりしました。
ただ、それが良くなかったのかメンタルも大分おかしくなりました。本を読んでも頭に入らなくなりました。不安でいっぱいになりました。心療内科で「典型的なうつ病」と診断されて、結局2ヶ月の病気休暇をとりました。
その時は、医者から、狸温の飲んでいた薬はうつを誘発する副作用があると言われました。それで、薬のせいのうつ病になったと思っていました。
でも、今改めて考えると、うつ病になったのは、疲れてしんどいのに無理したことが原因だと思います。
上司が下園先生だったら、狸温はうつ病になる一歩手前で休養を取れたんじゃないかと思います。
狸温が欲しかったのは、「ディズニーランドで気分転換」ではなく、「休んで寝なさい」という言葉だったんだなと思います。
この本を読むと、疲れの怖さ、休養の大切さを実感できます。
内容は濃いですが、下園先生と高木さんの対話形式なので軽く読めてしまいます。
プチうつになる前にぜひお読みください。
とにかくメンタル強くしたいんですが、どうしたらいいですか? [ 下園 壮太 ]
それでは~また。
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